2011年12月3日土曜日

さようならヨット風越!そしてありがとう

さようならヨット風越!そしてありがとう
2011年12月1日、小糠雨が降る中、ヨットハーバーの近くのマリーナに上架中の愛艇「風越」に私は別れを告げてきた。
 1992年(平成4年)5月ヤマハのレーサークルーザー型の外洋小型プロダクションヨットを入手し「風越」と名づけ真鶴に係留し愛用してきた。ログブック(航海日誌)を見ると、新艇の頃は毎週末沖へ出ていたようである。
 帆走の腕を磨き、時間に余裕が出たときには日本一週、いや出来れば、南太平洋の島々までも行きたいものと、夢見、張り切っていた様子が伺える。ヨット乗りは誰でも皆同じ思いで居るはずだ。
 かつて、外国航路の船乗りだった私は、32歳のとき船を離れた。それが海を捨てたとの意識となり、海へ対して何となく「うしろめたさ」が在るのである。
 子供の頃の海で遊んだ時期を加えると、私の人生の半分は海との関わりがあったように思う。
歳をとり、体力と気力も衰え、シングルハンドで沖へ出、帆走する回数が極端に少なくなってきた。
 しかし、船を手放すことがこんなに淋しいものだとは知らなかった。気がつかなかった。心の中にぽっかりと大きな穴が空いたようである。そうだ、船は女性詞、名前を付け擬人化すれば女性そのものである。
 若い頃好きな女性を残し、港を後にする船乗りの別離の気持ちを思い出す。寂しさは時が解決してくれるものと、年老いたセーラーは自分に言い聞かすしか無さそうである。
 20年間楽しませて、夢まで与えてくれた「風越」有り難う。そしてさようなら。
 君のことは永遠に忘れない。                          しのつく雨が降り止まぬ茅野にて。

風越の映像を。




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